4×4の魔方陣は880種類あります。回転、鏡像も含めると全部で7040パターンです。詳しくはMagic
Squareに書いてますので、ここでは別の視点から分析してみたいと思います。
1 | 2 | 15 | 16 |
13 | 14 | 3 | 4 |
12 | 7 | 10 | 5 |
8 | 11 | 6 | 9 |
12 | 5 | 14 | 3 |
8 | 9 | 2 | 15 |
1 | 16 | 7 | 10 |
13 | 4 | 11 | 6 |
これを証明してみます。(ちょっと悩みましたが、冷静に考えたら簡単でした)
2本の斜めの合計の和は34×2=68ですから、下図の色を塗った部分の和は68になります。となると、緑の合計とピンクの合計が等しいことを証明すれば、それぞれの色を塗った部分の合計が34であることが証明できます。それには次のようにします。
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- |
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- |
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+ |
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= |
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とすると、U-V-Wは魔方陣の性質から0となるので、X=Yとなり、図1の緑に塗られた部分とピンクに塗られた部分の合計は等しいことがわかります。よって緑の合計、ピンクの合計は34となります。これは全ての4×4の魔方陣に言えることです。
あくまで等しくなるだけで34になることは保証されていません。ちなみに、全体の半分の4×4の魔方陣が正方形の和が34になります。和の幅は22〜46までの幅があるようです。和が22になるパターンと23になるパターンが珍しく、それぞれ880パターン中、4パターンしかありません。
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図2 |
これの証明も簡単です。
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- |
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- |
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+ |
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= |
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四隅のとき同様、U-V-Wは0となるのでX=Yとなり、図2のピンクに塗られた部分の正方形の和はどちらも等しくなります。緑に関しても同様です。これはもっと大きなサイズの(偶数サイズの)魔方陣にも適用できる一般法則です。
あらゆる正方形の和が34になり、あらゆる斜めの和が34になるものを汎魔方陣と呼びます。
辺を乗り越えての正方形の和や1つ飛びの正方形の和も34にならなければなりません。
Magic Squareでは64と書いてますが、私が探したら対称、回転を除いて48種しかありませんでした。
またあらゆる斜めの和が等しいので、適当な列を取って反対側にまわしてやれば、汎魔方陣が量産できるということになります。縦に4パターン、横に4パターン作成できますので、1つの汎魔方陣から16の汎魔方陣が作成できることになります。
すなわち、汎魔方陣は48種類ありますが、実質は3種類ということになります。一例を下図に示します。
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ちなみに斜めのラインの完全性(合計が34)さえ成立すれば、すなわち(5)と(6)が成立すれば、
汎魔方陣になります。(1),(2),(4)については視覚的にわかりやすい証明は
できたのですが、(3)についてはできませんでした。
なお、実際には(5)または(6)のどちらかが成立すれば汎魔方陣になります。なぜなら
A | B | C | D |
E | F | G | H |
I | J | K | L |
M | N | O | P |
もし(5)が成立するなら色の着いた陣の合計は68になります。
ということは色が着いていない(白い)陣の合計も68です。
一方(D+G+J+M)は34ですから、残りの(B+E+L+O)も34になります。
同様に考えると(C+F+I+P)や(A+H+K+N)も34になり結局(6)が成立します。
次に(1)から(4)が成立することを示します。
(1)の証明
(A+B+E+F) + (K+L+O+P) =
(A+F+K+P) + (B+E+L+O) = 68
一方
(A+B+E+F) + (K+L+O+P)だから
(A+B+E+F) = 34
(C+D+G+H)および(I+J+M+N)についても同様
(2)の証明
(E+F+I+J) + (C+D+O+P) =
(D+E+J+O) + (C+E+I+P) = 68
一方
(E+F+I+J) = (C+D+O+P)だから
(E+F+I+J) = 34
(A+B+M+N)および(G+H+K+L)についても同様
(4)の証明
略
つまり図2に示す正方形の和は汎魔方陣ではどれも34になります。
(3)の証明
A+C+I+K
= A+(34-(F+G+J))+C+I
= 34+A-F-(G+J)+(C+I)
= 34+A-F-(34-(D+M))+(C+I)
= A-F+(D+M)+(C+I)
= A-F+(C+D)+(I+M)
= A-F+(34-(A+E))+(34-(A+B))
= A-F-(A+E)-(A+B)
= 68-(A+E+F+B) = 34
(B+D+J+L)、(E+G+M+O)、(F+H+N+P)についても同様
また(A+K)、(C+I)は汎魔方陣では必ず17になります。なぜなら
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- |
|
+ |
|
= |
|
となり(U-V)は0ですので X=Yとなります。よって、(A+K)=(C+I)です。
ところが、(A+K+C+I) = 34ですから、(A+K) = (C+I) = 17となります。同様に考えると
汎魔方陣では
A+K = B+L = C+I = D+J = E+O = F+P = G+M = H+N = 17
が成立することがわかります。
もっと正確に言うと
魔方陣でかつ A+K = B+L = C+I = D+J = E+O = F+P = G+M = H+N = 17であることは魔方陣が汎魔方陣であるための必要十分条件であるといえます。
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