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放浪記
その無軌道な足跡の数々


2001.05.05 〜 第四期「関東の駅百選」スタンプラリー
【第一部 虎視眈々篇】
【第二部 一触即発篇】(2001.06.15 〜 07.28)
【第三部 獅子奮迅篇】
※ タイトルと内容は無関係です。多分。


#10/27 騰波ノ江(関東鉄道)
6/15。肌寒い小雨模様の空の下、関東鉄道を目指す。関東鉄道常総線は取手と下館をつなぐ路線で、南側の取手から水海道までは宅地開発をうけて複線化されたが、この騰波ノ江駅のある路線の北側はワンマンが一時間に1本走るだけの昔ながらのローカル線。騰波ノ江駅はこのローカル部分にも二つしか残っていない木造の駅舎。近年までは駅員が配置されていた気配もあるが、今は無人駅。駅前には店は見当たらず、ひっそりと民家が連なる。線路の向こうには梨畑が見える。雨音だけが聞こえる。静かな駅だ。なお、騰波ノ江は、万葉集で鳥羽の淡海(とばのうみ)と詠まれたことに由来する地名で、古くはあたりは湿地帯だったという。

【雨の騰波ノ江駅】


#11/27 鉾田(鹿島鉄道)
同日。取手まで戻り、JRで石岡まで下り、今度は鹿島鉄道に入る。図らずも鹿島鉄道を完乗。辿りついたのが鉾田駅である。なお、こちらが始発駅。騰波ノ江駅ほどではないにしろ、年季の入った古びた建物が立っている。道中の沿線もひたすら田園が連なるのどかさ。とは裏腹に駅は学校がえりの高校生軍団で溢れかえり、やかましいことこの上ない。これは堪らん、と鉾田駅から逃げ出す。すぐ近くを走る鹿島臨海鉄道のほうが鹿島鉄道より若干安いようなので、鹿島臨海鉄道で帰ることにして、そちらの駅である新鉾田駅を目指すことにする。i-駅探によると徒歩23分とのこと。ところで、鉾田駅から新鉾田駅へ抜ける道はちょっとややこしい上、あたりに標識がないので気をつけないと迷うこと請け合いである。そうならないように、近くのコンビニで道路地図を立ち読みして道路を覚えて、歩き出す。15年ほど前に開業した鹿島臨海鉄道は建物のまばらな町外れを高架で走っている。新しい駅だけあって新鉾田駅周辺はまだまだ拓けていないようだ。で、ようやく辿りついた新鉾田駅は学校がえりの高校生で鉾田駅以上に混んでいたのであった。おまけに高架の吹きっ晒しのホームを横殴りの雨が叩く。寒い。

【学校帰りの高校生でにぎわう鉾田駅】


#12/27 東大島(都営)
6/29。知り合いに指摘されるまで、おおしま、と発音していた。おおじま、が正しい。駅はよくあるタイプで特に目新しくもないが、駅自体がまるごと橋の上に存在する橋梁駅、というのは珍しい。駅は江東区と江戸川区にまたがっており、2つある出口は違う区へと向いている。ホームの上に行政区分があるという。津田沼駅のようである。なお、ホームの窓からは眼下の中川が望める。

【東大島駅のホームからみえる中川】


#13/27 成田空港(京成)
#14/27 成田空港(JR)
7/14。帰国。体内時計は朝なのだが、すでに日本は夕方であった。今回のイギリス渡航は第2ビル発着。って、スタンプ第1ビルに置いてあんのかい。何が悲しくて帰国するなり、無料空港内バスで第1ビルに行く羽目になるのやら。呆れられる。


#15/27 西武秩父(西武)
7/20。以前はこの日に秩父で祭りがあったらしいのだが、最近は子供達の夏休みに併せて7/23-4の平日にやることになったらしい。山歩きを終えたと思しき中年夫婦が結構乗りこんでくる。


#16/27 多摩センター(多摩モノレール)
7/27。つい最近出来たばかりの駅で、そもそも今回のスタンプラリーの元ネタであるところの関東の駅100選の選出が始まった頃にはまだ存在しなかった駅である。多摩モノレールの始発駅で、レールはここから北方向に延びる。沿線には高いビルが少なく、モノレールからの夜景が綺麗である。列車はスピードもあまり出さず、通勤交通のわりにはまったりした感じ。玉川上水で乗り換えたが、列車は東京と埼玉の県境の上北台まで走っていく。計画では八高線の箱根ケ崎まで延伸する予定があるらしい。そんなに埼玉に行きたくないのかね(箱根ケ崎も都内で、上北台から県境と平行に西に向かったところにある)。
ところで、玉川上水から西所沢は帰りづらい。玉川上水〜小川〜東村山〜所沢〜西所沢と乗換3回。


#17/27 東武日光(東武)

7/28。宇都宮駅前の妙な餃子の像、などを眺めて日光線に乗りかえる。東照宮や華厳の滝で有名な日光は観光地として栄え、当然ながら古くから鉄道もあった。JRと東武の日光駅は400mほど離れて建っている。明暗はくっきり。JRは1時間に宇都宮との間に普通列車が1便。東武は浅草直通の特急や快速などが一時間に数本発着している。駅前も東武日光のほうがはるかに拓けている。東武日光駅に隣接して東武バスのターミナルがあって、修学旅行かなにかの団体がぞろぞろといったり来たりしている。JRの日光駅は駅前に目立つ土産屋もなく、駅の待合室もひどくがらんとした印象だった。

【東武日光駅】


#18/27 土合(JR)
同日。日光から両毛線経由。しかしまたこのモグラ駅に来ることになるとはなあ。地下82mの下りホームに降りる。下車客はワシ一人。寒っ!!。あたりはガスがかかっている。過去に寒い時期に来ていたのですっかり忘れていたが、ここは地下なので気温が年中ほぼ一定だったのだ。おそらく20℃以下。半袖なので凍える。寒いので階段を一気に駆け上がる。そういえば、一人で階段を登るのも初めてだ。あまりぞっとしない。
8分あまりで地上に到達。そろそろ夕暮れ。陽は谷川岳にかくれ、あたりはすっかり翳っている。ふうはあ云いながら土合駅の無人の改札を抜けると、妙に騒がしい。駅の待合室では山男が自炊などしている。過去に2度訪れたこの駅は完全に無人だったので、少々戸惑う。はて珍しい、と思って駅前をみてみれば、車が10台あまり駐車しており、テントがあちこちに張られてちょっとしたキャンプ村の様相を呈している。おりしも夕餉時であちらこちらで食事をしている。砂利敷きの駅前の広場は、翌朝谷川岳に登る人間の宿泊所として使われているらしい。どうも夏のこの姿がこの駅の真の姿らしい。寒い時期にばかり来ていたので全く知らなかった。ちなみに、すぐにやってきた18:27の電車がこの駅の上り最終電車。薄暮の中、賑やかな駅前を眺めつつ去る。なんだかんだ云ってまた来る機会がありそうな気がする。

【土合駅】


【第三部 獅子奮迅篇】

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