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2005年10月18日(火)

無限の心臓。

最も簡単な演算として足し算を考える。足し算を繰り返すと
a + a + a + a + a + ....(b回繰り返す)
いちいちa + ...と書いていられないので、aをb回加えたことを示す掛け算×が登場する。a × b。

次に掛け算を繰り返す。
a × a × a × a × a × ...(b回繰り返す)
いちいちa × ...と書いていられないので、aをb回乗じたことを示す累乗^が登場する。a ^ b。これはa×bとは全く比較にならないほど大きい数値をとる。

次に累乗を繰り返す。
a ^ a ^ a ^ a ^ a ^ ...(b回繰り返す)
いちいちa ^ ...と書いていられないし印字のバランスが悪いので、aをb回累乗したことを示す表記↑↑(クヌースの矢印表記)が登場する。a↑↑b。掛け算と累乗が全く比較にならないのと同様に、この関数は累乗は全く比較にならないほど急速に大きくなる。名前が用意されている数値はせいぜいこのあたりまで。10 ↑↑ 2 << 無量大数 << グーゴルプレックス << 10 ↑↑ 3。

さらにこの矢印表記を繰り返す。
a ↑↑ a ↑↑ a ↑↑...(b回繰り返す)
いちいちa ↑↑ ...と書いていられないので、↑↑演算子をb回行ったことを示す表記↑↑↑が登場する。a↑↑↑b。同様にして↑を増やしいく。
a ↑↑↑↑... b (n回矢印を繰り返す)
↑演算をn回繰り返したことを示す表記→(コンウェイのチェーン表記)が登場する。a → b → n。もちろんこの関数もa↑↑bとは全く比較にならないほど急速に成長する。数学的に意味のある証明で使われた最大数であるグラハム数はこの表記をしないと書けない。このグラハム数、あまりにも巨大すぎてどんな比喩ではいまいちピンとこないことでも有名である。

しかし世の中には閑な人間がいるもので、このコンウェイのチェーン表記が全く比較にならないほど爆発的に大きくなる関数を構成しているスレッドが2chにあったりする。 巨大数なんて∞でいいじゃん、というハナシもあるが、これは記号であって数ではないのである。

Posted by awa at 23:37.07
Categories: 雑記