・「ラプラスの魔」より
「草壁健一郎」


・作品データ
発売元 PCE:ヒューマン SFC:ビック東海
発売日 PCE:1993年3月30日 SFC:1995年7月14日
価格 PCE:7500円 SFC:9900円

・作品解説
 時は1920年代後半のアメリカ。幽霊屋敷として有名な「ウェザートップ館」を舞台に、持てる力を駆使して霊を排除しにきた霊能力者、オカルト写真で一発当てようとするジャーナリスト、科学の力で霊の非存在を証明しようとする科学者、純粋に好奇心から訪れた物好き、そんな連中が活躍するホラーRPGであります。
 このゲームが最初にリリースされたのはパソコン(PC-8801系)で1987年、ハミングバードソフトから。前年にドラクエこそ発売になっていますが、この当時の国産RPGといえばファンタジーが殆ど。そんな時代に1920年代アメリカ舞台のホラーRPGとは、今では考えられないぐらいにマニアックな選択肢だったかと思いますが、敢えてその肢を選んだハミングバードの社長は冒険心のある人ですよねぇ。そんな果敢なスタイルが受けたのか、パソコン版はスマッシュヒットし、PCエンジンやスーファミにも移植されました。PCエンジン版はほぼパソコン版を踏襲、スーファミ版はマップが3Dから2Dに変更になるなど、それなりの梃入れがされました。2002年にパソコンのダウンロード版が発売になったので、今となってはオリジナル版が一番入手しやすいようです。

・キャラクター解説
 草壁健一郎(通称ケン)はパソコン版第1弾から登場している事実上の主人公です。霊能力者であり、探偵能力にも優れた彼は、ゲームが3割方進んだ辺りで強引に仲間に入ってくるんですが、その際仲間の死体が1体必要だったりするので、最初登場したときはそれなりにビビりましたよ。おまけに1920年代アメリカなのに「けんいちろう・くさかべ」。当然のように第一印象は「誰だコイツ?」。その正体はとある世界規模の霊調査機関に所属するプロのゴーストハンターなのですが、パソコン版一作目ではそんな詳しい裏事情は説明ナシでした。最後まで謎の人。SFC版ではさすがにイベント部分が大幅補完、その辺りの事情もキッチリ説明されますし、前後してリリースされたテーブルトーク版でも主役を務め、キャラクターデザイン弘司さんの描く秀眉な美青年のイラストとも相俟って人気を博しました。
 性格は至って冷静で感情をあまり表に出さず、そのため表情はあまり変えませんが、決して無愛想というわけではなく、喋るときは本当によく喋ります。銃に頼らない日本刀愛好家ということも相俟ってDMC3のバージルと何となくキャラが被りますが、バージルとの大きな違いは、魔界を復活させる側ではなく、阻止する側であるということ、仲間思いで決して人を裏切るような冷血漢では無いという2点。オイラの好きなゲームキャラのかなり上位にランクされている御仁であります。

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