「俺の屍を越えてゆけ」より
「太照天昼子」


・作品データ
発売元 SCE
製作 アルファシステム、マーズ
発売日 PS:1999年6月17日
値段 通常版 5800円 ザ・ベスト2800円
ファミ通評価:28(8・6・7・7)

・作品解説
 −舞台は中世の京の都。とはいえ、都とは名ばかりで、市中を荒らし回る悪鬼「酒点童子」のために、街は壊滅状態に陥っておりました。そこに、酒点討伐のために、剣士と薙刀士の夫婦が派遣されます。二人はあと1歩というところまで酒点を追い詰めたものの、産まれたばかりの子供を人質にとられ、夫は討ち死に、妻の方は行方不明になってしまいます。残された赤ん坊は、命こそ助かったものの、酒点により「短命」(寿命は長くて2年)と「種絶」(人間との間に子供を作れない)という、かなり絶望的な二つの呪いをかけられます。
 この絶望的な赤ん坊こそが主人公であり、酒点童子を打ち滅ぼすための最後の希望でもあるわけですが、こんな右も左もワカラナイ赤ん坊が、たった2年のうちに、凶悪な鬼を倒すなんてのは、どう転んだって無理な話であります。そこで!天の偉い神様たちの助け舟により、主人公の一族は神と交わることにより子孫を残し、短い命を戦いの中に散らし、次の子孫へと繋いでいく日々を送ることになるのでした−
 ・・・という感じのストーリー。何だか辛気臭そうな設定ですが、実際やってみると、以外と明るいムードです。奇才・桝田省治(代表作「リンダキューブ」「ネクストキング」)の、微妙に悪意の篭ったお笑いセンスと、登場するキャラクター、無駄に明るいお手伝いの「イツ花」ちゃん(口癖は「バーン!とォ、いってみよう!)のおかげデスね。

・キャラクター解説
 ストーリー紹介の最後の方に登場した、「天の偉い神様たち」の頂点に立つ最高神。名前から何となく想像つくとおり、モデルは日本神話の天照大神と思ってもらって結構かと。
 見た感じかなり大人しそうな女神サマですが、その半生は波乱に満ちています。元々はとある人間の男と天女の間に出来た子供なんですが、人間と神のハーフであるが故に、天界と人間界の両方に、阻害され、利用され、挙句の果てに父母を殺され、弟とは生き別れ−という非情なもの。
 その後、当事天界で一番の実力者だった「太照天夕子」に見込まれて後継者になり、イマイチ纏まっていなかった天界を統一したというのだから、容貌からはおよそ想像のつかないタフな精神力とパワーの持ち主であり、策士であるといえます。今の日本にいたら、総理大臣になっていたかもしれんです。
 彼女、実はゲーム中、ずーっと主人公一族を騙しつづけてきたんですが、最終的には一番大事な約束をちゃんと守ってくれた(この辺が市井の政治家と違うところだ)ことだし、許してあげることにしましょう。

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