序文
その昔、「ゲームは1日1時間」と言って喝采をあびたゲーム名人がいた。
彼の本業は、ゲーム会社に勤めるサラリーマンであり、未曾有のファミコンブームの中、ゲームでばかり遊び、勉強を疎かにしたり、外で遊ばなくなったことを心配する保護者や教育機関に対する、製作・販売者側からの、言わば、自戒を込めたパフォーマンスであった。
それは、万が一何らかの社会的トラブルが起こった場合の保険であったとも言える。「俺たちはちゃんと、ゲームは1日1時間って注意してたもんね」。
だがしかし、この教えを忠実に守っていた子供たちが世の中に何人いたであろうか?
初期のころは、結構いたかもしれない。この名人のいた会社の作っていた主力商品は、1時間かそこらもあれば十分解けるシューティングゲームが主流だったから。
しかし、その後、ゲーム市場は急激に発展し、ハード、ソフトのレベルも向上、それに伴い、ゲームの内容は大型化の一途を辿った。
今や、ゲーム1本クリアするのに20時間、30時間を割くのは当たり前。プレイ時間50時間を越えるものも多くなってきている。その多くはロールプレイングゲームという、キャラクターを鍛えながら、物語を進行させていく、というスタイルのゲームである。
「ドラゴンクエストシリーズ」。これはそのロールプレイングゲームの代表格の有名なシリーズ作である。その最新作「ドラゴンクエストVII」。大作との前評判も高い。大作というからには、クリアに60時間かかると推定して、1日1時間ずつ進めて行ったら、最低2ヶ月間は楽しめる勘定になる。
(いや、もしかしたら楽しめないかもしれないんだけれどー。てゆーか、その可能性が高いんだけどー)
話が長くなる前にまとめるが、要するにこの日記は、昔のゲーム名人の教えを忠実に守りながらドラクエをやることを決意した、アホな大人のプレイ日記である。