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有栖。

システムの命名には二つのパタンがある。先にある正式名称の頭文字をつなげた無骨な型番的名称の場合と、格好よい名詞を持ってきてそれに合うように力技でシステムの正式名称をでっち上げる場合である。後者の場合、QとかXとかあまり先頭にならない文字が出てくるとそれにあわせた正式名称は大変苦しいことになっている。ひどいのになると、単語の途中から文字を拾ったりしている。日本人の名前は漢字をどう読んでもよく、例えば明を「ひろし」を読ませてもよい。随分ゆるい。システム名も無理に苦しい名前をつけるくらいなら、同じように正式名称は受発注管理総合システムだけと略称はトマトとか開き直った命名の方が潔い、と思ったり。しかし、チャールズ・ラトウィッジ・ドジスンも自分の創作した主人公と同じ名前のシステムが、150年後のワシを悩ましているとは夢にも思うまい。